君に毒針




「…えっ、清水先輩!?治ってないですか?え、倒れますか?と、とりあえず玄関は良くないですよ、ベッドに、」

「ちがう。ちがうんだよ、」



清水先輩が自分の後頭部をくしゃり、と触りながら、「はああ」と大きくため息をついていた。大丈夫ですか、と問い掛けそうになって、大丈夫じゃないか、と自己解決をして。それで、もう一度、やっぱりベッドに、と先輩に伝えようとしたら。

「神楽、聞いて」と先輩がしゃがんだまま言うから、なんにも言えずに、またわたしは黙り込む。



「…俺さあ、」



しゃがんでいる先輩は、一体どこを見ているのかわからなかった。
わたしは、いつもは身長が高いから見れない先輩のつむじをただぼんやり見つめていた。



「神楽のこと、すき、だったんだよね」

「………え?」