君に毒針




「…リュウ、おまえ、」

「コウキ、風邪大丈夫?」

「………いや、それは、まあ、大丈夫、だけど、」

「心因的なのものかと思って、特効薬、持ってきちゃったんだけど、それ以外のもの忘れた」

「はあ?」

「だから、他のものは今から買いに行く。薬は置いていくから、10分くらいしたら帰ってくるね。じゃ、またあとで」

「いや、は、ちょ、」



風のように掴めない、どころではなく、嵐のようで振り回される。
わたしをよそに繰り広げる会話の流れが思わぬものすぎた。

言い終えてから、わたしを置いて元来た道を戻ろうとしたリュウ先輩の裾に一度しがみついたけれど、「だめ」と拒否される。

挙句、リュウ先輩はぎゅうぎゅうと背中を押してわたしを清水先輩宅にいれてしまい、それはもう、気まずい玄関の出来上がり。



「………リュウが、ごめん」