君に毒針




だから、だ。端的に言えば、怖いんだ。この気持ちを認めることも、答えることも、怖い。

リュウ先輩へ向けるそれ以外の気持ちの持ち方を、とっくの昔に忘れてしまって、どうしたらいいのか、わからないよ。


あんなに長く片思いしてたって言ってたのにすぐ俺の方振り向くなんて、先輩のすきってそんな程度だったんだね、とか。
振り向かない先輩がよかったのになあ、とか。

ぽこぽこと浮かんでしまう気持ちを認めようとしてあげる度に、イマジナリー樋野くんのイマジナリー言葉たちが出てきてしまって、結局、ずっとこのまま。



「…ミナ?」



突然黙り込んだわたしを、今度はちゃんと心配するようにサクラは覗き込む。

「ううん、大丈夫」となんとか笑って返せば、「素直にならないと辛いままだよ?」と。

本当に、そんなことは知っている。知っているよ、…知っているから。