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「──てことなんだよ、ねえ、どう思う?樋野くんってわたしのことバカにしてるよね?」
「え?なにが?」
「もー!サクラ!ちゃんと聞いててよ!」
1限目まるまる寝たことで少し復活したサクラが、必死に1限目の穴埋めを埋めている空きコマ。
なんにもすることがないわたしはその様子をぼーっと見つめながら、先程の出来事に文句を垂れるけど、あんまし興味が無いらしいサクラからは生返事しか返ってこない。
……あー、ていうか、今日のサークル、リュウ先輩来てくれるかなあ?
リュウ先輩お酒強くないくせにたくさん飲むから、飲み会の次の日はいっつも学校サボるんだよなー。
二次会まで行ってたら絶対まだ寝てるよなあ。
リュウ先輩の部屋で看病したいな。ゼリー買ってお話したいし、あわよくばそのまま一緒に寝てたいし、それでいつの間にか先に起きてたリュウ先輩に「おはよ」とか、言われたりなんかしちゃっ……
「ミナ、鼻の下伸びてる。妄想禁止」
「えっ」
「どうせリュウ先輩のこと考えてたんでしょ。はい、プリントありがと」
「………考えてないもん」
「はいはい、そーですね。ていうか、どうしてそんなにリュウ先輩のことすきなわけ?」
「え?」
どういうこと?とサクラを見つめれば、いやそのまんまの意味って呆れたように返される。
どうしてってリュウ先輩をすきなことに意味も理由もなんにもないのに。


