正直なところ、ヒートアップした熱が冷めるのは一瞬で、着実にわたしの羞恥が増していくのを感じていたから、一刻も早くこの場を去りたかったし、部屋のベッドで恥ずかしさを紛らわすために叫んだりしたかった。
だから、待って、の声には振り向いてあげずに、怒ったふりを続けて、樋野くんが根負けしてくれることを望んでいたのに。
そう簡単に、樋野くんは思いどおりにはなってくれない。
「はああ、ほんと、さあ」
大きなため息とそんな声が聞こえたのと同時に、樋野くんが掴んでいたわたしの腕を引く。
その衝撃でいとも簡単にわたしの身体は強制的に彼と向き合う形になってしまって、さいあくだ、と誇張でもなんでもなくそう思った瞬間。
樋野くんがゆっくりと近付いて、わたしの右肩にだけわずかな重み。
「…やめてよ、そういうの」


