君に毒針




「ごめんなさい、オブラートに包むの苦手なんです」

「大丈夫だよ、責めてない。……んー、そう!リュウ先輩にちゃんと振られた」

「…そう、ですか」

「うん!まあ、最初から振られてたような感じだから、大丈夫だよ。大丈夫だし、ようやく、諦めがつく」

「………、」

「…樋野くん?」



口を噤んだ彼の双眸が、真っ直ぐにわたしを捉えている。

ただ見つめられるのはあんまり居心地が良くない。だから、なにか言おうと思うのに、今日のわたしは会話の能力がなくなっちゃってるから、なにも浮かばない。

ただ彼の次の言葉を待つしかなくて、無駄に長く感じる一瞬に耐える。



「ミナ先輩、」