君に毒針




「…ごめんなさい。帰ってきたら先輩が公園にいるのが見えて、話しかけようと思ったんですけどなんか、話しかけない方がいい気がして。
でも、いつから外に、ここにいるんだろうって思ったら心配な気もして。大きなお世話なのはわかってたんですけど、あそこのコンビニで買いました」



樋野くんが困ったように眉を下げていた。
べつにそんなことで怒ったりしない。わたしはそんなに短気ではない。
だから、「大丈夫だよ」とだけ伝える。


隣に立つ樋野くんは、わたしに近づくでもなく遠のくでもなく、ただそこに存在している。

ブランコに腰かけるわたしと、その隣に立ちすくむ彼。
変な光景だ。



「…樋野くん、帰らないの?家」



うまくお喋りが出来ないから、申し訳なかった。だからそう言ったのに、「帰りませんまだ」と樋野くんは言うから、わたしも困ってしまう。