君に毒針




「神楽も同じサークルはいるでしょ?俺と同じ」

大学まで想い人を追いかけてきた哀れなわたしに、リュウ先輩がそう言ったから、わたしはあそこに入ったのに。

そんなこと、リュウ先輩が言い出さなければ、同じサークルに入ることはなくて、あんな嫌なキスシーンを見ることだってなかったのに。

……いいや、それは、無理か。わたしはきっと、リュウ先輩に何を言われても、リュウ先輩と同じを追いかけていた。



「…泣いていいよ、つらいなら泣けばいい。大丈夫。俺は神楽のこと、わかってるから。大丈夫だから」



清水先輩が、底抜けのやさしさをわたしに落とす。
最高で最強に可哀想なわたしにやさしいをくれる。


可哀想に本当に弱いんだね。
浮かんだ言葉を消して、なかったことにして、わたしはただやさしさを受け入れることにした。抱きしめてくれる腕に縋ってしまった。

そうやって、なにも気付かないふりをした。