君に毒針




へなへなと廊下にもたれかかって体育座りをしていたわたしの前に、清水先輩が座っている。

突然頭に覆いかけられたものを確かめるように頭を触れば、「俺のタオル」と清水先輩が言う。



「…タオル汚れちゃいます」

「いいよ」

「よくないです」

「よくなくない」



ぎゅう、と頭にかかるそれを握って、なんとか平気にならないと、と考えていた。

瞼をそおっと開けると、タオルでほとんど見えない視界に、清水先輩のスニーカーが写っている。


緑色のラインが入っていた。メロンソーダも緑色。清水先輩は、緑色ばっかり。もしかすると、このタオルにも緑色の刺繍が施されていたりするかもしれない。



「…神楽?どうしたの?」

「……っ、どうも、してないです」

「してない、じゃないし、やっぱり泣いてるじゃん」

「…べつに、っ…」

「べつにじゃない」