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「…なんか、ひさしぶりな感じするな、」
玄関を開けてわたしを招いた清水先輩は、すこしだけ気まずそうにそう零した。
清水先輩を避けていたわけじゃない。リュウ先輩を避けたら必然的に清水先輩とも会わなかっただけ。
……いいや、それは嘘、か。メッセージを無視していたのは、わたしだった。
部屋にあがる気はなかったから「今日はここでいいんです」とわたしが言えば、清水先輩は理由は聞かずに「…そう、」と言う。
…なんだか、こういうの、前にもあった。
ああ、そうだ。わたしが大学生になってすぐの頃だ。確か、あれは────
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甘い毒の、はじまりのときだ。


