君に毒針



「俺、クズだから」

「知ってます」

「ごめん」

「嫌です」

「許して」

「嫌です」



唇が熱い。心臓が熱い。全部が熱い。

この思いは怒りなのか、ときめきなのか、虚しさなのか、悲しみなのか、どれも違っててどれもあってる気がした。





「………4年間、わたしの片思い、捨てないでくれて、ありがとう、ございました」



辛いことばかりじゃなかった。先輩に憧れて、先輩のことでいっぱいで、そうやって過ごした4年間は、宝物みたいにきらきらしていた。
きらきらし過ぎていて、わたしの青春の全部で、本当はずっと腕の中にしまっておきたかったけれど、もう捨てないと、先輩に幻滅されてしまうだろうから。

ちゃんと、先輩の望むとおり、すこしずつ、捨てるよ。
一気にはやっぱり難しいけど、すこしずつ、捨てていく。