君に毒針



あの日、傘の下にわたしを入れてくれたことも。

ほかの女の子には教えない連絡先を、わたしには教えてくれていたことも。

彼女がいても最後には、絶対わたしに駆け寄ってきてくれたことも。

借り物競争でわたしの手を引いてくれたことも。

文化祭のお化け屋敷、一緒に入ってくれたことも。

卒業式でまだ何も言ってないわたしのために第二ボタン残しておいてくれたことも。

大学で待ってるって笑ってくれたことも。

いやだって言うくせに、最後には一緒に演奏してくれたことも。


全部全部、すきだった。



先輩がほかの女の子と違う扱いをわたしにしてくれてること、知ってたよ。

その度にわたしは舞い上がって、いつも苦しかったよ。