君に毒針



「神楽が思ってるより、俺は、神楽がすきだよ」

「……っ、」

「だけど、神楽のすきに、俺は答えられない」



受け入れてくれないのなら、いっそ拒否してほしい。

温度を残さないで欲しい。

そう思ってたはずなのに、今はそう思えない。



まだすきでいたい。本気でそう思ってしまう。

おはようございます、すきですって、そういう挨拶、まだし足りない。

リュウ先輩への片思いは、もうわたしを構成する一部で、それがないわたしなんて、思い浮かばないんだよ。



「……そんなに泣かないでよ」



ひんやりするおしぼりを、わたしの目元に当てて、先輩が困ったように笑う。

泣かせているのはあんたじゃないかって、責めれたらよかったのに。