君に毒針



「4年を今日でって、嫌です」



わたしが何を言ったって、先輩の気分がくつがえることはないってわかってるけど、こればっかりは引き下がれない。

わたしはわたしのタイミングで、この恋を、片思いを、終わらせたいと思っているし、そのタイミングはどう考えたって今日じゃない。



「神楽ってわがまま」

「わがままじゃなくて、わたしの思いの終わらせ方は、わたしが決めるべきです」

「正論だ」



先輩はいつも掴めなくて、その空気がすきだった。



「神楽、」

「なんですか」

「今日は、神楽の質問なんでも答えるし、願い事も聞くよ」

「……そういうのずるいです」

「俺、ずるいから」



開き直らないでください、って言おうと顔をあげれば、先輩はどんなときよりも優しい顔をしてわたしのことを見ていて。

やっぱりずるすぎるよって、鼻の奥がツーンってした。