先輩の言葉に目をまん丸くすれば、「んーん、なんでもない」って先輩が笑うんだ。
リュウ先輩は、やっぱりずるい。
興味無さそうに視線を動かすくせに、わたしの変化に気づくんだから。
「ほんとはさ、」
先輩がぐっと勢いよくグラスを傾けて、氷だけがそこに残る。
この間のときより、ハイペースに感じる飲みっぷりに、大丈夫なのかなって勝手に心配になるけど、そんなこと口に出せないから、ただその様子をぼんやりと見つめる。
「神楽はもっと前から変わってたよ」
「………?」
今日の先輩は、いつもの先輩よりお喋りで、何だかそれがおかしくて、こんな先輩見たことないって、思った。
もしかしたら、先輩は酔いはじめると、お喋りになるタイプなのかなって、4年も見てきたのにまだ知らないところ持ち出してくるんだって、なんかひとりで悔しくなる。


