「で、どっちにすんの?」
「あ、うーん、」
と、わたしたちが今話しているのは、乾杯のドリンクをどうするかっていう話で、お酒初心者のわたしは、カタカナの羅列からどんな味かなんてわかるはずもなく。
リュウ先輩の、のらりくらりとしたアドバイスを受けながら、メニューと睨めっこをしている最中だ。
「やっぱ甘いほうにします」
「わかった」
すいませんって、かっこよく店員さんを呼びつけた先輩は、かっこよくドリンクを頼んで、かっこよくおつまみを頼んでいた。
そんな横顔にうっとりしてしまいそうになる自分って、本当に病気だ。
「神楽とお酒飲む日が来るなんて思ってなかった」
「わたしもリュウ先輩と個室に来れる日が来るなんて思ってなかったですよ!」
「なんかそれ、違くね?」
ふって、先輩がお決まりの笑顔を見せて、やっぱ暴力的すぎるよその笑顔って勝手にダメージを食らう。
先輩の顔の造形って、たぶん神様がもたらした宝物だよ。


