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「……みんな出来上がってるなあ」
──あれから、結局樋野くんとのお喋りに花を咲かせていたら、いつの間にかお開きの時間になっていた。
アルコールの匂いのするサクラに肩を貸しながら外に出れば、ふらふらのサクラが「なあに?なんか言ったあ?」と真っ赤な顔でわたしを見る。
「わーわー!サクラ!倒れないで!」
「ふわふわするかも」
「もー、誕生日過ぎたからって飲みすぎだよ」
わたしよりひと足早く誕生日を迎えていたサクラは、それはもうたんまりとお酒を楽しんだようで。
勿論樋野くんとのお喋りの合間合間にサクラ飲みすぎないでね、と声をかけはしたんだけど、飲み会の場において、酔っ払いとシラフ(未成年)の壁はかなり厚い。
はじめはわたし、サクラ、樋野くんの3人で話していたはずなのに、気付けばシラフのわたしたちはふたりぼっち状態で、サクラは酔っ払いたちの輪で楽しんでいた。
「サクラ、1人で帰れる?」
「うんー!任せとけー!」
「……大丈夫かなあ」
いつもはサクラがわたしのお世話をしてくれるけど、お酒が入ると逆転するらしい。
こんなにベロベロになったサクラを見るのは初めてで、ちょっとだけ嬉しいような、でもやっぱり心配なような、そんなふたつの気持ちでわたしの心は忙しい。


