君に毒針



「嫌、です」

「なんで、」

「…なんでも、だめ」

「告白する権利は俺にもあるよ」

「っ、ない、しても意味ない、」

「…なんで?」

「わたしは、リュウ先輩のことが、すきだから、樋野くんには答えれない、から。だから、したって意味ない」

「ほんとに?」

「っ、ほんとにって、ほんとだよ。勝ち目のない告白なんて無謀だよ、それこそやめたほうが、」

「違う。そこじゃないです」

「…え?」

「……ミナ先輩はほんとにリュウ先輩のことがすきなの?」



責めるような樋野くんの双眸がわたしのことを貫いていた。
血の気が引いて、体温が無くなる感覚。


わたしは樋野くんのこういうところが嫌だ。
勘のいいところ。それを口に出してしまうところ。隠していたものを暴くところ。

わたしの知らないわたしまで、彼には全部バレていそうで、知ってそうで、そういうところが苦手だ。



「俺、負けないです。………あの人たちには負けないです」

「っ、!?」

「俺はミナ先輩に気持ちを伝えられるから、だから、負けないです」