「プレゼントです、先輩、誕生日だから」
「え、っと…」
「なんで知ってんの?って気持ち悪がらないでください。お喋りなミナ先輩の友達が悪いんだから」
「………またサクラか」
樋野くんの応援団長だからっていうサクラの言葉がもう一度頭の中で流れる。
いつから応援団長してんのよってちょっと怒りたくなった。
「俺、まだミナ先輩のこと知らないんです。知らないことの方が多くて、」
「……うん?」
「…だから、あの日可愛いって言ってたヤツ買いました」
「あの日?」
「デートの日。先輩が可愛いって言ってたヤツ、にしました」
小さな紙袋。先輩が可愛いって言ってたヤツ。色々な情報を咀嚼しながら、予想外の目の前のそれにびっくりして、目を丸くする。
それから、何を買いたいのかイマイチわからなかったあの日の樋野くんの行動、やたら女性物の小物売ってるところに入りたがる謎の行動、全部の意味がわかって、ぐらり、と心の天秤が揺れる。
嬉しい気持ちと申し訳ない気持ちでゆらゆらと、揺れる。


