「電話無視されると悲しいです」
「…それは、ゴメン」
「嘘。友達といんのに電話した俺が悪いんで、謝らないでください」
樋野くんは、わたしがわたしの意志で樋野くんの電話に出なかったこと知らない。
だからそう言ってくれるけど、やっぱり罪悪感が消えなくて、「ごめん、ほんと」ともう一度呟けば、「だからいいですって」と樋野くんは困ったように笑う。
「手出してください」
「手?」
「うん、」
樋野くんに言われるがまま、「こう、?」と両手を前に出してみれば、どうしてか樋野くんは緊張したように唾を飲み込んでから、「これ、」と小さく零したのと同時にわたしの手のひらの上に小さな紙袋を置いた。
なんだこれは、と思わず首を傾げてそれを見ていれば、先輩今日誕生日ですよね、と樋野くんは言う。


