君に毒針



サクラの計画的失言で、アイドル話が一気に恋バナになった。

あの先輩じゃない人ってこと?ってみんながわたしを問い詰める形になって、どうしたらいいのか、とりあえず逃げたい。



「ミナ、この場はわたしがうまく説明しといてやるから行ってきなよ」

「…………それが狙いでしょ」

「そりゃ樋野の応援団長ですから、わたし」



樋野くんってやっぱり苦手だ。サクラを味方につけるとか反則だもん。


サクラの言う通りにするのはなんか不本意だったけど、ここで尋問に合うのと、樋野くんにちょっと会って帰ってくるだけなら、後者に軍配があがったわたしは、立ち上がって。


帰ってきたら聞くからねー!っていう怖いセリフを右から左に流しながら、真夏なのにマスクをつけて外に飛び出した。