「ねえー、サクラー!リュウ先輩が1年生のこと好きになっちゃったらどうしよう」
──でも、サクラの呆れ顔ではわたしのこの憂鬱な唇のとがりは治せない。
泣きべそをかく寸前のナイーブな心のまま、サクラの腕をこれでもかというくらいに振れば、抵抗しないサクラがぐわんぐわんと身体ごと揺れている。
だいすきたリュウ先輩の周りには可愛くて初々しい1年生たち。ああ、ダメ。嫉妬の炎が止まらない。
いいなー。わたしもそっち行きたいのに。
「席順決まってんだから仕方ないじゃん」
「…いや、おかしくない?1年生は好きなとこ選べるって変」
「そういうもんでしょ。去年はアンタがリュウ先輩の隣にいたじゃん」
「いいや、サクラさんよ。それはそれ、これはこれだよ」
ただでさえ遠いリュウ先輩とわたしの距離がどんどん遠くなって、おまけにその離れた距離の間に違う女が入り込んできてる、例えるならそんな気分。
あー、あの子もあの子も。絶対リュウ先輩の顔がタイプなんだ。絶対猫なで声で話してるんだ。
こんなうるさい空間じゃ全然声なんか聞こえないけど、わたしにはわかるんだから。
あの顔は絶対リュウ先輩に気がある顔。あわよくばとか思っている女の子の顔だもん。
気安く触ることなんて恐れ多すぎて出来ないわたしなんかよりも、一瞬でリュウ先輩に近づいているように見える1年生たちに嫉妬というよりかはもう悲しみが止まらなくなる。
だって、ほら。右隣のあの子見ました?今さりげなくリュウ先輩の肩に手を置いてます、うわっ、左隣の子はわざと肩ぶつけました!もう!ほら!うわ!
……どうしてリュウ先輩はそんなにモテるんですか。ひどいです。本当に。


