君に毒針



「うわっ、」

「え、またなってるよ。間違いじゃないんじゃない?」



再び振動を始めた携帯の画面には、やっぱりさっきと同じ人物の名前が映し出されていた。

サクラが隣に来ちゃったから、もちろんその名前はサクラにも見えてしまっていて、なるほどねー、なんて意味深な言葉を言ったサクラは、机の上に置いてあったポテトチップスを1つ口に入れた。



「出ないの?」

「……あんまり出たくない、かな」

「えー、樋野のこと嫌いなの?」

「嫌いじゃないけど、」



サクラ以外の子には聞こえていない話。
わたしとサクラだけの話。


サクラは、わたしの中で特別な友達で、サクラにならわたしの弱いところとか、ダメなところとか全部話してもいいかなって思えるくらいに信頼していて。

お酒のせいもあってか、このタイミングでサクラに全部話してしまいたくなった。


リュウ先輩のこととか、清水先輩のこととか、樋野くんが真っ直ぐで辛いこととか。