君に毒針






【明後日、泊まってよ】

ダメだってわかってるのに止められなくて、間違ってるってわかってるのに目を逸らして。

リュウのことをずるいって言う資格、俺にはないって、携帯の画面を見ながら思う。



ミナを縛り付けているのは、本当はどっちなんだろう。

リュウなのか、俺なのか、それとも俺たちなのか。

必死につなぎとめて、ほかの人のところに行かないように毒を刺して、こんなの、おかしいよ。


すきだって言うのが怖い。
ミナに断られるのが怖い。
ミナが居なくなるのが怖い。



【いいよ。どーかした?】

すぐに返ってきた返信はいつも通りで、それにひどく安心して。

はやく小さくて愛しい大切な存在を抱きしめたいと強く思った。