君に毒針



気づけば体が動いていて、俺の右手は確かにリュウの胸ぐらを掴んでいた。

それでもなお、冷たい視線を俺に返すリュウは、本当に何を考えているのかわからない。


リュウのことはすきだ。

何だかんだ俺の遊びに付き合ってくれるのはリュウだし、無口に見えて意外と喋ったら面白いし、波長の合うリュウと俺が喧嘩なんてするはずないと出会った頃は信じていた。
信じていたのに。



「なんで、神楽のこと縛り付けんの?」



来る者拒まず去るもの追わないってのが、リュウのスタンスじゃねーの?

ほかの女はそうで、ミナがそうじゃない理由ってなんなの?


いっそのこと、リュウがミナを受け入れてくれればいいのに。
リュウなんか嫌いってミナが思うくらいに、深く傷つけてくれればいいのに。

そしたら、すきだって、伝えられるのに。