君に毒針







「リュウ先輩!明日もサークル行きますよね!行きましょうよ!」

「………さあ?どうだろーね」



結局、あのあとずっとリュウ先輩と音楽を奏でていて、気付けば最後まで残っていたのは、リュウ先輩と清水先輩とわたしだった。

暗くなった夜道を3人肩を並べて歩いているけれど、勿論わたしの視界には9割のリュウ先輩で1割の清水先輩だから、これはもうリュウ先輩とふたりの帰り道、と言っても過言じゃないだろう。


サクラは途中でバイトがあるからって帰っちゃった。

他のサークルメンバーは顔出しただけで帰ったり。



「リュウ、もう少し神楽に優しくしてやれよ」

「…考えとく」

「えっ、すきってことですか!?両思いですか」

「やっぱ無理。考えれない」

「えぇ……リュウ先輩ー!そこをなんとか!」

「無理」



夜道を歩くリュウ先輩もとってもかっこいい。

横顔が反則級だ。どうしてそんなに鼻が高いんだろう。

ぺしゃんこの自分の鼻を思わず触れば、清水先輩になにしてんの?ってなんか笑われた。