お宅の可愛い息子さんと、付き合ってもいないのにエッチしててごめんなさい。

なんてことは、もちろん言えない。


やっぱり私が曖昧な笑みのままでいたら、



「嘘よ、冗談」


と、晴人の母はまたほほ笑んだ。

まさかばれているんじゃと、ひやひやするが。



「ねぇ、リナちゃん」

「え? あ、はい」


慌てて顔を上げたら、目が合った。

改めて見ると、本当に目元が晴人とよく似てる。



「ハルね、気難しそうに見えるけど、悪い子じゃないの。仲よくしてくれると嬉しいわ」


晴人は、ちゃんと私に優しい。

だからそんなことは、言われるまでもない。


私がうなづくと、晴人の母は満足そうな顔で、「それじゃあね」と、きびすを返した。