きみと秘密を作る夜

「ごめんねぇ、リナちゃん。遊びたい盛りだっていうのに、こんな年寄りに付きっ切りで、苦労させてしまって」

「何言ってんのよ。別に苦労してるとか思ってないし。おばあちゃんは早く元気になることだけ考えてればいいんだよ」


それは本心だった。


友達なんかどうだっていい。

祖母が元気で、晴人がいてくれたら、私にはじゅうぶんなのだ。



「退院したら、一緒に散歩しようよ。あったかくなったら、海沿いとか歩いたら気持ちいいだろうね」

「………」

「あ、でもその前に、退院パーティーしようね。病院食なんて飽き飽きしてるでしょ? 何食べたいか考えといてよ」


私の励ましにも、祖母は心無い笑みを向けるだけ。

必死な私は、虚しくなる一方だ。



「ごめんね、リナちゃん」


何に対してなのかわからない謝罪。



祖母は入院してから、ことあるごとに私に『ごめんね』と繰り返す。

『ごめんね、リナちゃん』と。


謝られた私は、一体、何を言えばいいのだろう。