ふたりで空を指差しては、流れ落ちる星の数を数えながら歩いているうちに、いつの間にか家の近所まで帰ってきていた。

さんざんくだらないことを言い合って、笑いながら酒屋の角を曲がった時。



「リナ!」


大声で呼ばれたと同時に、焦った顔をした母が駆け寄ってきた。

その後ろには、晴人の母もいる。


流星群に夢中になりすぎて、すっかり忘れていたが、どうやら母と晴人の母は、家の外で、私の帰りをずっと待ってくれていたのだろう。



「あなたは今まで一体、どこで何をやっていたのよ! スマホも持たないまま急に家を飛び出して、どれだけ心配したと思ってるの!?」


母の咆哮に、思わずたじろぐ私たち。

でも、晴人と視線を合わせたら、また笑いが込み上げてきた。



「バカ。何笑ってんだよ。お前、今、怒られてんだろ」

「晴人が変な顔するからじゃん。絶対、今、私のこと笑わせようとしたでしょ」

「はぁ? 何で俺の所為なんだよ。ほんとお前は昔から」


晴人が言い掛けたところで、横からの強烈な視線に、はっとした。