バイトを終えて帰宅すると、ちょうど母は風呂場に向かうところだったようだ。

私は、いつもより寒い夜に身を縮めなら、バッグを置く。



「ただいまー」

「おかえりなさい。さっきお父さんから電話があったわよ。リナ、春休みに向こうに遊びに行くんでしょ? 『有給取るつもりだから早めに日程教えてほしい』って」

「あ、そうだった。あとで連絡しとくよ」

「じゃあ、お母さん、今日はもう疲れてるから、先にお風呂入って寝ちゃっていい?」


母はすでにあくび混じりだ。



「あとは私がやっとくから大丈夫だよ」


そうとだけ言い、風呂場に向かう母に背を向け、テレビをつけた。

まずは着替えなくてはとは思っても、寒いばかりで体が動かない。


たまたまついたチャンネルはニュースの時間で、季節外れのこの寒さは何に影響するのかと、コメンテーターのおじいさんが話していた。



「……しかし、これだけ寒いと今晩は流星群がはっきり見られるかもしれませんので……」