12月31日。
祖母は早めに眠ってしまい、母とふたりきりになった。
だけど、私は相変わらず、その顔を見る気にもなれなくて、居心地の悪さから逃げるように家を出た。
行く当てもなく、ふらふらと歩いているうちに辿り着いたのは、あの、山の上の神社だった。
来年もここで年を越そうと、晴人と約束した言葉が蘇ってきて、悲しくなる。
それでも私は息を吐き、ひとり、石階段をのぼった。
境内で、賽銭を入れ、手を合わせる。
「来年は、私もカレシほしいです」
高校に入って、バイトして、趣味を見つけて、好きな人を作って。
そうやって、早く晴人のことを忘れたい。
なんて、虚しい願いだなと思いながらも、他に何も思い付かなかったから。


