髪の毛はところどころが金色に近い茶髪だった。着ている洋服もとても小学生とは思えないような奇抜で露出度の高い洋服を着ていた。

そして、何よりとても同じ4年生とは思えないほど大人びた顔立ちをし、鋭い眼光を光らせていた。

『カスミちゃん、自己紹介をして?』

『源田カスミ』

担任に促されてかったるそうに名前を名乗ったカスミちゃんは腕組みしたまま教室内をぐるりと見渡した。

わたしは当時、窓際の一番後ろの席だった。

カスミちゃんはわたしと目が合うと、わずかに右側の口角を持ち上げて笑った。

全身が粟立った。言葉にはいい表すことのできない何か得体のしれない恐怖がわたしを支配していた。

小さな町の小さな学校の小さな教室の中にももちろん例外なくスクールカーストというものは存在していた。

1軍、2軍、3軍とピラミッド型になっていて、どの位置に属するかによって教室内での立ち位置が決まる。

1軍の女子は発言力があり、男子とも対等にやりあえるおしゃれで可愛い子。

男子はスポーツが得意で行事ごとを仕切れるタイプの子。

2軍は普通の子。1軍寄りの子もいれば、3軍寄りの子もいる。微妙なバランスの変化で1軍にも3軍にもなりうる。

3軍はそれ以外の子。あまり人数は多くない。