学習室は私語厳禁だから
休憩室に移動した
「折原、ジュースなにがい?」
販売機の前で上杉が聞いてきた
「おごり?」
「うん、おごり」
「じゃあ…カルピスウォーター」
「じゃあ、カルピスソーダでもいい?
オレも飲むから…」
「え、ヤダ…」
ピッ…
ガタン…
「もぉ買った」
振り返った上杉は笑顔だった
ドキ…
「ハイ…先生、先に飲んで…」
「先生?」
「うん、ここ、教えて…」
あ…そっか…
休憩室のテーブルの上に
上杉はプリントを開いた
「んー…ここは…」
私が説明してると
上杉が
カルピスソーダのペットボトルを開けて
自分で飲んだ
私、まだ飲んでないけど…
「うん…うん…うん…
わかった…やってみる…」
問題を説いてる上杉をじっと見てた
綺麗な字
日に焼けた手
細い腕
下に視線を落として
伏目がちになると
二重になる目
鼻の先まですっと通った鼻筋
ペットボトルから離れた唇が光った
一瞬見惚れた
上杉と目が合った
ドキ…



