帰ろうと思ってホールに出たら
上杉と目が合った
ズキ…
「淕、やっぱオレ帰るわ…」
「あー、待って!
なら…ひーちゃんも帰るって言うから
一緒に帰りなよ…
…
店長、いいよね?
ひーちゃん早くあがるって
あとオレやるから…」
え…
ドキ…
ドキ…
「あぁ、別にいいよ
…
あとさ
花火大会の日、店閉めるから
貼り紙あとで書いといて!
淕も芽唯ちゃんと行くだろ」
「うん、まぁそのつもりだったけど…」
店長、彼女と行けることになったんだ…
「店長、よかったですね」
「うん
あ、桐谷さんにも紹介するね
栞(しおり)…」
「なに、その唐突な紹介の仕方
雑だし…」
淕が笑った
「はじめまして
バイトの桐谷です
いつもお世話になってます
…店長の彼女ですか?」
店長に小声で聞いた
「うん…彼女…
…まだ元カノ…」
店長が照れながら答えた
「なに?その言い方…
…
はじめまして…本間(ほんま)栞です」
彼女が微笑んだ
かわいい人
店長にお似合い
きっと
上手くいく方向なんだ
よかった…
お幸せに



