屋上のフェンスにつかまって
遠くを見た
風で髪がなびいた
「髪、伸びたね…」
上杉が言った
「うん…上杉もね…
…
違う人みたい…」
短髪で耳まで日焼けしてて
無邪気なサッカー少年だった上杉
特に夏は真っ黒だった
今は長めの前髪
耳に髪を掛けて
日焼けなんてしてない
私より白いぐらい
透明感があって綺麗な肌
なんか、目線も違う
「上杉、背も伸びたね…」
向かい合ったら
目が合った
ドキ…
「伸びたかな…
オレの時間は、あの時で止まってるのに…」
上杉が目をそらしてボソっと言った
私はね
上杉に触れられた髪を
触れてくれた髪を切りたくなくて
伸ばしてたわけじゃなくて
伸びちゃった
あの時は肩のあたりにあった髪
上杉が触ってくれた髪
今は腰のあたりまで伸びてる
時間は
それだけ経ってるよ



