「……いい加減にしてよ!」

いばらに包まれていくオーロラを抱き締めるようにフィリップが包む。そしてオーロラを力いっぱい抱き寄せた。

「フィ……リップ……」

棘が刺さり、フィリップは痛そうに顔を歪める。しかし、オーロラを抱き締める手の力は緩むことがない。

「僕はもう働いてる!!君に伝えたいことがあるから!!勝手にいなくなろうとしないで!!僕は……僕は君が必要なんだ!!愛してるから!!大切だから!!だから……だから……起きて!!」

ふわりとオーロラの唇に柔らかな感触がした。フィリップがオーロラにキスをしたのだ。その刹那、オーロラの瞳から涙がこぼれる。しかし、それは悲しい涙ではない。

いばらがゆっくりと朽ちていく。オーロラとフィリップは真っ白な光に包まれていった。



オーロラが目を開けると、そこにあったのは森ではなく白い病室のベッドだった。オーロラは病院のベッドに寝かされていた。

「オーロラ?」