私「なにしてるんですかー?」



樹先輩は、私の2つ上の先輩で専門学校の時にもお世話になっていた。

ヤンチャだけど、大人びた顔でちょっとSっ気がある。

子供の様にからかっては、いじわるそうに
ニヤッと笑う。

そして、すごくモテそうなスタイル。
肩も、腕も、腹筋も、すごく綺麗に筋肉が
ついている。
専門学校の頃も、男友達に相当羨ましがられていたし、女の子も黄色い声が止まなかったほど。


私にとっては、兄弟のような人。
いつもからかってくるけど、面倒見が良くて、一言で言うと寛大な人。


樹「お前こそ、さっき先輩方が探してたけど?」

私「え?!ほんとですか?!」

樹「なんか仕事あったんじゃねーの?」

仕事なんて頼まれてたっけ?
期限付きのは何個かあるけど……急ぎの仕事は基本的には他の先輩が引き受けて……


樹「ぷっ」

私「どうしたんですか?!」

樹「も、だめだわ」

ニヤニヤしながら、口を覆って笑っている。

私「……!また!樹先輩は!」

この笑い方はいつも嘘をつく時の癖で、
からかう時に良くする顔。

樹「わるかったって!悩んでる顔が……」

言ってる途中でまた思い出し笑いを始める。
樹先輩のこーゆー所がモテるのに彼女ができないんだよね!

私「もー!先輩!笑いすぎですよ!」

樹「悪かった」

頭の上に手をポンポンと軽く乗せて、
ニヤッと笑ってるけど……謝る気ないですよね…?!

樹「今度、ドライブ連れてってやるから」

私「え!ほんとですか!専門の時のみんなで行きましょう!」

樹「あー……そうだな、みんなで、な」

樹先輩は一瞬バツが悪そうな顔をしたように見えたけど、すぐにいつもの笑顔を見せながら、仕事があるからと去っていった。