入社して、3ヶ月。
毎日見る風景。
同じ匂い。同じ音。
そしていつも、私が目線で追っているカレ。
廊下をスタスタと私の横を抜こうと颯爽と歩く。
私「おはよ!」
声をかけながら、素通りする同期が1人。
○○「はよ」
いわゆる、絶食系男子です。
※絶食系男子とは、
恋愛に興味がまったくない男子。
私「今日どこか行くのー?」
○○「え?なんでわかった?」
私「勘~♪」
○○「あっそ」
嘘だけどね、だって顔ルンルンだし?
毎朝、笑顔で挨拶をして、話しかけて、
前よりは話す頻度は上がったはずなのに…
全然、愛想がない。
優しくないーーー。
興味がないって…
スタート前から振られる前提なのがもう…
私「はぁー……」
琴葉『なんかあった?』
髪を耳にかけながら、きょとんとした顔で、下から顔を覗き込む女の子。
別の部署の同期、癒し系女子。
神下 琴葉(かみした ことは)。
体型はぽっちゃり系女子で、小動物みたいな可愛さがある。
優しくてマイペースなちょっとドジな同期。
趣味は、漫画を読むこととお菓子作りで、
たまに私もお菓子をプレゼントしてくれて、食べさせてもらっている。
私「んーん!なんでもないっ!」
私がそう言うと、琴葉はちょっと心配そうな顔をして俯いたあと、"あっ"と思い付いたような表情をして、こっちを見た。
琴葉「もしかして姉岩君のことで悩んでる?」
私「え?!なんで?!ただの同期だよ?!」
そう、同期は私と琴葉を含めて3人。
姉岩 魅逸(あねいわ みせいつ)。
最近悩まされている、絶食系男子。