クールな君といたいのに。



ガチャガチャと鍵を開け、書類を置いた私たちは隣の図書室に。



おー!!涼し!鴻賀がクーラーつけててくれてたみたい!



そういえば、最近蒸し暑くなってきてね。



もうすぐ梅雨入りするらしいし。



クーラーつけてなきゃ蒸されちゃうってくらい学校は暑いんだけど、今は鴻賀のおかげですっずしーーぃ!



フゥー



やっぱり図書室はいいなぁ。



この学校の図書室は広くて、沢山本があって人気だから利用してる人が他の高校に比べると少し多いような気がするなー。



だから、やりがいのある委員会だなーって思う!



頑張ろ!



鴻賀と一緒に!



さっ!仕事仕事ー!!



、、、って、なにすりゃいいの?



本を借りる人とか返す人がカウンターにきて、私たちのどちらかがバーコード通して終わり。



他はなーんもない!



そんなぁ。



本の整理でもしようと思っても本を借りる人はいい人ばかりなのかちゃんと整ってるからしなくても大丈夫っぽいし。



返す本は借りていた人が自分で直すルールだから直すことも必要ないし。



本当に、なにすりゃいいの?







、、、宿題でもしてるとするかぁ。



カリカリカリカリ。



宿題をしてる私をみて自分も始め出した鴻賀。



カリカリカリカリ。



カリカリカリカリ。



ガラガラ。



ドアが開いて静かに誰かが入ってきた。



カリカリカリカリ。









しばらくするとさっきの人がカウンターにきて、本を持ってきた。



ピッ。



私が「二週間後に返却お願いします」と言って渡すと「どうも」と言って出て行った。



カリカリカリカリ。



カリカリカリカリ。



ピッ。



カリカリカリカリ。



カリカリカリカリ。








そうこうしてると夕方になって帰る時間に。



「そろそろ帰ろっか。」


「ん。」




図書室の鍵を閉めて階段を降り、職員室で鍵を返し靴箱で靴を履いた私たちは同じ道を同じ歩幅で歩いていく。



同じ電車に乗って適度な距離を保ちながら隣に立ち、特に何も喋ることなくお互い家に帰っていく。



「バイバイ、鴻賀。また明日。」


「ん。」




やっぱり私の家の前を通る鴻賀。



遠回りしてるのは知ってるよ。



ありがとう。



好きだよ。



沈黙のなかで私の心臓の音だけ鳴り響いていたように思う。



今もドキドキしてる。



いつになったらこの距離は縮まるの?



教えて。鴻賀。



私のこと、どう思ってるの?