sideえりな
今やっと始業式がおわったー!!
「えりなお疲れー!!てか、始業式長すぎでしょ!」
こちらはわたしの親友、浅木美菜(あさきみな)。
「そーだねー。ホント長かった。でも仕方ないよねー。校長先生、お喋りだし。」
「確かにねー。でももうちょっとなんとかしてくれって感じなんだけどー。」
「うんうん。15分くらい喋ってたような気がするしねぇ。さすがに長すぎるようなきがするけどなぁ。」
「でも、おかげで高2になれたって事だしいっか!」
「うん!今年もよろしくー!」
「よろしく!」
美菜は高校生になって初めてできた友達だったんだー。
同じ1年A組でたまたま隣になって。
それから意気投合して仲良くなったってわけ!
それから、今年も偶然同じクラスだってことがわかって!
とっても嬉しい!
ちなみに美菜は私の好きな人を知ってる唯一の友達なんだー。
浦部鴻賀。
小学生の頃からずっと同じ学校だったんだけど鴻賀の性格?と私の勇気のなさで最近は特に全然喋れないんだよね。
だからいっつも美菜に恋愛相談させてもらってるんだ。
美菜は恋愛の先輩だからね。
「そういえば、美菜はイケメン彼氏くんと上手くやってるの?」
「もっちろん!すっごく仲良いと思うよ?この前もデートしちゃった!」
すごいなぁ。美菜は自分から告白して付き合うようになったんだって。
「で、えりなはどーなの?浦部とは。」
「どーって言われても、、、。変わらないよー。喋れないままだよ。鴻賀からはほぼ喋りかけてくれないし。まあ、私が喋りかけたら必要最低限のことは喋ってくれるんだけどさ。」
「そっかー。浦部は誰かと自分で喋りにいこうとか女子には全然ないっぽいしなぁ。仕方ないっちゃ仕方ないけどさ、えりなもえりなだよ。もっとガンガンいけばいいんじゃないの?席、隣なんだしさ。」
そー。席が隣になっちゃって。
ちょっと気まずいんだけど、鴻賀をみれるから幸せかな。
「えー?でも、鴻賀って構って欲しくないから誰に対しても無愛想なんじゃないの?」
「んー。でももしかしたらそーでもないかもしれないじゃん?男子には冷たくないんだし。」
「んーー、まぁねー。、、、、、」
「こりゃガンガンいく気、ないね。」
バレたか!
だってー。
好きな人に喋りかけるのってなかなか度胸いるじゃん。
プラス、女子と全然喋らないやつなんだよ⁈
そんなの私ができるとでも思ってるんですか⁈
「ま、えりなは最初から諦めてるからなぁ。諦めて、一生浦部から逃げて、後悔してもいいなら別に私はなんにも言わないけど?」
流石、美菜。私の弱いとこ知ってる!
「っ!それはやだ!」
「だったら近づけるだけ近づいてみたら?喋り始めたら意外と喋れるかもだしー。」
「んー。そだね!頑張ってみるよ。」
「頑張れ、えりな!」
「うん!」
とは言ったものの、私には難しすぎて困ってるんだよね。
どうやったら鴻賀に近づけるんだろう?
ちなみに、私が鴻賀を好きになったきっかけは、塾。
小学生の頃から今まで学校がずっと一緒なんだけど、全然喋ってなかった。
鴻賀は仲良い人としか滅多に喋らない人だから。
それに加えて、私は鴻賀の”仲良い人”じゃなかったから。
でも、ある出来事で私は恋に落ちた。
中2になる前のある日、お母さんに塾にいかないかと言われ、結局とある塾に通うことになった。
そこで会ったのはそう、鴻賀だった。
そして、私たちが使う教室の場所を教えてくれたのも鴻賀だった。
『D教室、あそこ。』
『え?』
『だから、あそこだよ。』
『えっ?あっ、うん。ありがとう。』
鴻賀が喋ってくれた事がとても嬉しかった。
しかも助けてくれたなんて。
ホントに小さい出来事だったけど、私には特別だったんだ。
それきっかけで鴻賀を好きになった。
でも、それまで鴻賀に興味がなかったわけでもなくて。
クールで無愛想で不思議くんな鴻賀が気になってはいた。
そんな鴻賀だけど、教室の雰囲気を悪くせずいい雰囲気にもっていける、頭のいい人だから、そういう面ではみんなから気に入られてるんだと思う。
私にとって憧れの存在だった。
だから好きになったのもあったと思う。
鴻賀もちっさい頃は女子とも仲良くしてたらしい。
小学・中学での親友、智代(ちよ)から聞いた。
小学校1,2年の頃、智代たちと一緒に遊んだりしてたこと。
羨ましい。
それなら鴻賀ともっと前に仲良くなれたらよかったなぁ。
家も近いのに。
side鴻賀
「おーい鴻賀ー。一緒に教室戻ろーぜ。」
「ん。」
コイツは平谷駿(ひらたにしゅん)。
イケメンな上にクラスの人気者だ。
女子からも好かれてる。
誰かの彼氏になったことも少なくないんだとか。
でも、高校でできたホントに好きな人(誰かは教えてくれない)とは付き合えてないらしいけど。
俺はというと平谷と真逆の存在というか。
平谷みたいに誰かとフレンドリーに話せるわけじゃないし、モテるわけでもない。
顔は普通。
しかも彼女はいたことがない。
理由は簡単。
女子に興味ないから。
前に一度だけ杉咲(って名前だったと思う)に告白されたことがあるけど、興味ないから振った。
「なんて冷たいんだ」と思うんだろうけど、ないもんはないんだからしょうがない。
自分が興味のない彼女をもってるより俺をわかってくれてる親友、平谷をもってる方が断然いい。
もちろん、前は男子女子限らず遊んだりしてた。
でもある日、ある男子に『俺が〇〇ちゃんのこと好きなの知ってるだろ?なら、〇〇ちゃんと仲良くするなっつーの!イラつく!』とかなんとか言われてさ。
こんなこと面倒だって思った。
それから女子とは仲良くしようとしてない。
あんなこと言われるのはウンザリだからな。
でも、いちいち俺の人生にちょいちょい引っかかってくるのが、あそこにいるアイツ。
そう、花本えりな。
べつに仲良くもないからしょっちゅう喋るようなやつでもないけど。
小学校も中学校も塾も一緒だし、ついには高校も学科だって一緒。
家が近いから、乗る電車も時間も一緒。
中学1年の時から高校2年(今)までずっと同じクラスだし、今はくじ引きで隣の席にいるし。
ほぼほぼ全て偶然が重なっただけなんだけどな。
一緒のことが多すぎて少しウンザリしてる、、、というか、一緒になったら“だろうな”って思う。
ただ一個だけ、一緒だと知ってて選んだものがある。
しかも、俺が。
それは、高校。
中3になったばかりのある日。
靴箱で偶然アイツに会った時。
花本が高校は決まってるのかと聞いてきて。
決めてなかったから「べつに。」って答えた。
そしたら、
「そーなの?私は□□高校に行きたいんだー。だいぶレベルは高いんだけど頑張ってみようかなって。いい高校だから調べてみたら?じゃーねー!」
って。
アイツの行きたい高校なんて知らねーよって思ったけど調べてみるだけしてみようって思った。
そしたらめちゃめちゃいい高校で。
花本が選ぶだけあるなって思った。
勉強に力を入れる学校でありながらも文化祭とかのイベントはめっちゃ盛り上がって楽しそうだし、部活は沢山あるし。
家から近いし。
30分あれば余裕で着く。
いいとこばっかだった。
だからここに決めた。
それからは勉強をひたすら頑張った。
花本と同じ学校だと知りながら。
なぜかその時は一緒でもいいかって思ったんだ。
なんでだろ。
今やっと始業式がおわったー!!
「えりなお疲れー!!てか、始業式長すぎでしょ!」
こちらはわたしの親友、浅木美菜(あさきみな)。
「そーだねー。ホント長かった。でも仕方ないよねー。校長先生、お喋りだし。」
「確かにねー。でももうちょっとなんとかしてくれって感じなんだけどー。」
「うんうん。15分くらい喋ってたような気がするしねぇ。さすがに長すぎるようなきがするけどなぁ。」
「でも、おかげで高2になれたって事だしいっか!」
「うん!今年もよろしくー!」
「よろしく!」
美菜は高校生になって初めてできた友達だったんだー。
同じ1年A組でたまたま隣になって。
それから意気投合して仲良くなったってわけ!
それから、今年も偶然同じクラスだってことがわかって!
とっても嬉しい!
ちなみに美菜は私の好きな人を知ってる唯一の友達なんだー。
浦部鴻賀。
小学生の頃からずっと同じ学校だったんだけど鴻賀の性格?と私の勇気のなさで最近は特に全然喋れないんだよね。
だからいっつも美菜に恋愛相談させてもらってるんだ。
美菜は恋愛の先輩だからね。
「そういえば、美菜はイケメン彼氏くんと上手くやってるの?」
「もっちろん!すっごく仲良いと思うよ?この前もデートしちゃった!」
すごいなぁ。美菜は自分から告白して付き合うようになったんだって。
「で、えりなはどーなの?浦部とは。」
「どーって言われても、、、。変わらないよー。喋れないままだよ。鴻賀からはほぼ喋りかけてくれないし。まあ、私が喋りかけたら必要最低限のことは喋ってくれるんだけどさ。」
「そっかー。浦部は誰かと自分で喋りにいこうとか女子には全然ないっぽいしなぁ。仕方ないっちゃ仕方ないけどさ、えりなもえりなだよ。もっとガンガンいけばいいんじゃないの?席、隣なんだしさ。」
そー。席が隣になっちゃって。
ちょっと気まずいんだけど、鴻賀をみれるから幸せかな。
「えー?でも、鴻賀って構って欲しくないから誰に対しても無愛想なんじゃないの?」
「んー。でももしかしたらそーでもないかもしれないじゃん?男子には冷たくないんだし。」
「んーー、まぁねー。、、、、、」
「こりゃガンガンいく気、ないね。」
バレたか!
だってー。
好きな人に喋りかけるのってなかなか度胸いるじゃん。
プラス、女子と全然喋らないやつなんだよ⁈
そんなの私ができるとでも思ってるんですか⁈
「ま、えりなは最初から諦めてるからなぁ。諦めて、一生浦部から逃げて、後悔してもいいなら別に私はなんにも言わないけど?」
流石、美菜。私の弱いとこ知ってる!
「っ!それはやだ!」
「だったら近づけるだけ近づいてみたら?喋り始めたら意外と喋れるかもだしー。」
「んー。そだね!頑張ってみるよ。」
「頑張れ、えりな!」
「うん!」
とは言ったものの、私には難しすぎて困ってるんだよね。
どうやったら鴻賀に近づけるんだろう?
ちなみに、私が鴻賀を好きになったきっかけは、塾。
小学生の頃から今まで学校がずっと一緒なんだけど、全然喋ってなかった。
鴻賀は仲良い人としか滅多に喋らない人だから。
それに加えて、私は鴻賀の”仲良い人”じゃなかったから。
でも、ある出来事で私は恋に落ちた。
中2になる前のある日、お母さんに塾にいかないかと言われ、結局とある塾に通うことになった。
そこで会ったのはそう、鴻賀だった。
そして、私たちが使う教室の場所を教えてくれたのも鴻賀だった。
『D教室、あそこ。』
『え?』
『だから、あそこだよ。』
『えっ?あっ、うん。ありがとう。』
鴻賀が喋ってくれた事がとても嬉しかった。
しかも助けてくれたなんて。
ホントに小さい出来事だったけど、私には特別だったんだ。
それきっかけで鴻賀を好きになった。
でも、それまで鴻賀に興味がなかったわけでもなくて。
クールで無愛想で不思議くんな鴻賀が気になってはいた。
そんな鴻賀だけど、教室の雰囲気を悪くせずいい雰囲気にもっていける、頭のいい人だから、そういう面ではみんなから気に入られてるんだと思う。
私にとって憧れの存在だった。
だから好きになったのもあったと思う。
鴻賀もちっさい頃は女子とも仲良くしてたらしい。
小学・中学での親友、智代(ちよ)から聞いた。
小学校1,2年の頃、智代たちと一緒に遊んだりしてたこと。
羨ましい。
それなら鴻賀ともっと前に仲良くなれたらよかったなぁ。
家も近いのに。
side鴻賀
「おーい鴻賀ー。一緒に教室戻ろーぜ。」
「ん。」
コイツは平谷駿(ひらたにしゅん)。
イケメンな上にクラスの人気者だ。
女子からも好かれてる。
誰かの彼氏になったことも少なくないんだとか。
でも、高校でできたホントに好きな人(誰かは教えてくれない)とは付き合えてないらしいけど。
俺はというと平谷と真逆の存在というか。
平谷みたいに誰かとフレンドリーに話せるわけじゃないし、モテるわけでもない。
顔は普通。
しかも彼女はいたことがない。
理由は簡単。
女子に興味ないから。
前に一度だけ杉咲(って名前だったと思う)に告白されたことがあるけど、興味ないから振った。
「なんて冷たいんだ」と思うんだろうけど、ないもんはないんだからしょうがない。
自分が興味のない彼女をもってるより俺をわかってくれてる親友、平谷をもってる方が断然いい。
もちろん、前は男子女子限らず遊んだりしてた。
でもある日、ある男子に『俺が〇〇ちゃんのこと好きなの知ってるだろ?なら、〇〇ちゃんと仲良くするなっつーの!イラつく!』とかなんとか言われてさ。
こんなこと面倒だって思った。
それから女子とは仲良くしようとしてない。
あんなこと言われるのはウンザリだからな。
でも、いちいち俺の人生にちょいちょい引っかかってくるのが、あそこにいるアイツ。
そう、花本えりな。
べつに仲良くもないからしょっちゅう喋るようなやつでもないけど。
小学校も中学校も塾も一緒だし、ついには高校も学科だって一緒。
家が近いから、乗る電車も時間も一緒。
中学1年の時から高校2年(今)までずっと同じクラスだし、今はくじ引きで隣の席にいるし。
ほぼほぼ全て偶然が重なっただけなんだけどな。
一緒のことが多すぎて少しウンザリしてる、、、というか、一緒になったら“だろうな”って思う。
ただ一個だけ、一緒だと知ってて選んだものがある。
しかも、俺が。
それは、高校。
中3になったばかりのある日。
靴箱で偶然アイツに会った時。
花本が高校は決まってるのかと聞いてきて。
決めてなかったから「べつに。」って答えた。
そしたら、
「そーなの?私は□□高校に行きたいんだー。だいぶレベルは高いんだけど頑張ってみようかなって。いい高校だから調べてみたら?じゃーねー!」
って。
アイツの行きたい高校なんて知らねーよって思ったけど調べてみるだけしてみようって思った。
そしたらめちゃめちゃいい高校で。
花本が選ぶだけあるなって思った。
勉強に力を入れる学校でありながらも文化祭とかのイベントはめっちゃ盛り上がって楽しそうだし、部活は沢山あるし。
家から近いし。
30分あれば余裕で着く。
いいとこばっかだった。
だからここに決めた。
それからは勉強をひたすら頑張った。
花本と同じ学校だと知りながら。
なぜかその時は一緒でもいいかって思ったんだ。
なんでだろ。