真夜中まで、君とワルツを

悲しいまま会えなくなるなど、チャーリーは嫌だった。最後は笑ってまた来年を楽しみにしていたい。シンディの悲しみはキスで幸せなものに変えたいとチャーリーは思ったのだ。

「ほら、まだ時間はあるよ!最後まで踊らなきゃ」

チャーリーはそう言い、シンディの手を取る。ワルツを踊っている人々は二人を中心で踊らせたいためか、道を開けてくれる。その中を二人は進んだ。

「チャーリー、強くなったんだね。……もう私がいなくなっても慣れたの?」

シンディの言葉にチャーリーは足を止めた。見下ろしたシンディの顔はどこか不安そうだ。チャーリーはシンディの頬を優しく撫で、切なげに笑う。

「本当は今すぐにでも泣きたい。大切な人が死んでそのことに慣れるなんてことは永遠にないよ。でも、この想いはきっと僕がそれだけシンディを想っているっていう証なんだなって思ってさ……」

素直に想いを吐き出しながら、チャーリーは恥ずかしくなっていった。思わず赤くなった顔をそらす。しかし、シンディが近づいてくる感覚がした。