真夜中まで、君とワルツを

「このアイスクリーム、とてもおいしい」

「シンディは相変わらずアイスが好きなんだね」

アイスを口にして幸せそうな顔をするシンディの頭をチャーリーは優しく撫でた。生きていた時と何もシンディは変わっていない。性格も、好みも、チャーリーに向ける笑顔も……。フッとチャーリーは思ってしまうのだ。本当はシンディは生きているのではないかと。

ワルツを踊って、食べたり飲んだり、話したりしていくうちに魔法の時間はどんどん終わりへと近づいていく。あと十分で全て終わってしまうのだ。

「もうすぐおしまいだね」

チャーリーはシンディの手を包んだ。シンディは悲しげに頷く。その苦しげな表情に、チャーリーは思わずシンディの顎を持ち上げてキスをしていた。

「んっ……んんっ……」

シンディの唇は柔らかい。チャーリーは気が付けば何度もシンディと唇を重ねていた。

「そんな寂しそうな顔をしないで。また来年のこの日も来るから……」