真夜中まで、君とワルツを

「チャーリー……」

金髪の髪を結い上げ、水色のドレスを着た美しい女性が微笑む。シンディだ。チャーリーは「シンディ!!」と言いながら彼女を抱き締めた。魔法のおかげなのか、シンディの体は生者のように体温がある。

「今年も私に逢いに来てくれたのね」

「当たり前さ。この命がある限り、君に毎年逢いに行くよ!」

チャーリーはシンディに力強く笑いかける。すると、チャーリーの体にも光の粒が集まり始めた。光が消えた時、チャーリーは先ほどまで着ていた服ではなくまるで舞踏会の時に王子が着るような立派なタキシードに着替えさせられていた。

「フフッ。今年も王子様みたい」

シンディが笑い、チャーリーもふざけて「美しい姫、靴を落とされましたよ」と笑いながらシンディの足にガラスの靴を履かせた。こんな風に冗談を言うのが懐かしく、チャーリーはシンディの手を取る。

「僕と踊ってください。……最後の一秒まで」

チャーリーの真剣な目に、シンディも真面目な顔になる。そしてグロスの塗られた唇が動いた。