館の壊れた扉からチャーリーは館の中へと入っていく。掃除されていないからか、ツンとカビ臭い臭いがした。

館の中は至るところに蜘蛛の巣があり、床にも埃が積もっている。しかし、汚いなどチャーリーは考えている余裕などなかった。やっとシンディに会えるのだ。

チャーリーはかばんの中からシンディの靴を取り出す。ガラスで作られた美しい靴だ。シンディは生前、この靴を気に入り街のお祭りなど特別な日にこの靴を履いていた。

「シンディ!!君に逢いに来たよ!!」

チャーリーはそう大声で言い、ガラスの靴を見せつけるように持ち上げる。すると、日が沈んでいく中、不思議なことが起こり始めた。

ボロボロだったカーペットやカーテンがまるで新品のように綺麗になっていき、壊れていた扉が治った。そして薄汚れたシャンデリアも煌めきを放っている。

魔法の時間が始まったのだと、チャーリーは胸を高鳴らせた。光の粒がどこからともなくあふれ、チャーリーの目の前に集まり、人の形を作っていく。