「はい。今でも、シンディのことを愛しているんです」

チャーリーはそう言い、シンディのお墓を見つめる。シンディのお葬式の日、棺の中に入れられた彼女は眠ったままでも美しかった。

お葬式のことを不意に思い出すチャーリーに、シンディの母は切なげな表情を見せる。そして言った。

「チャーリー、もうここに来なくてもいいのよ？あなたは新しい恋を見つけてもいいの。あの子だってそれを望んでいるわ」

「……娘さんがそう望んでも、僕はやっぱりシンディしか愛せないんです」

そう言い、チャーリーはシンディの母に頭を下げて歩き出す。夕方になるまでが待ち遠しくてたまらない。

チャーリーは強く拳を握り締めた。



夕方、チャーリーは街外れの館に行くための準備をして家を出た。

夕方から朝にかけて、死んだシンディと館で会うことができる。一夜の魔法に必要なものをチャーリーは胸に抱いて整備されていない道を進んだ。

しばらく歩くと古びた館が見えてくる。昔は貴族が住んでいたらしいが、今ではただの廃墟だ。