「朝からどうしたんだよ普結…
元気なくないか?
どうした?体調でも悪いのか?」
「吐き気とめまいが止まらないんでとりあえず鈴木クン消えてもらっていいっすか?」
「それは大変だな!
俺薬もってっから取ってくる!」
″鈴木クン消えてもらっていいっすか?″の部分はおそらく聞こえないフリをした鈴木は、
あっという間に教室を後にした。
鈴木が消えた教室はまるで嵐が去った後のような空気で。
すかさず立ち上がって無言で教室のドアにガムテープを貼り、
入り口を塞ごうとしている普結くんの後ろ姿が
なんだかすごく疲れているように見えた。

