「あー!!!!!
普結と連絡先交換してんの?!!
俺も、俺も親友だから連絡教えろよなっ!」


突如響いた元気の良い声に、もはやクラス中のだれも驚かない。

当たり前のように教室へ入ってきた鈴木はスマホを手にしたあたしたちを見て興奮気味にはしゃいでいる。



「なあ、俺にも!ライン教えてっ!」

「ごめん俺ラインやってないんだよね」

「じゃあメールでもいいぜ?
電話番号でも可!!」

「ごめん俺携帯持ってないんだよね」

「なんでそんな嘘つくんだよおおお
その手にあるスマホはなんなんだよ?!」

「これあれだよ、電卓だよ電卓」

「ふーゆーーうう!!」



必死でじたばたする鈴木の姿が
ものすごく哀れだ。


結局鈴木はラインを交換することなく、
自分のクラスの担任に引きずられて教室へ連行されていった。