「今何て…?」


「ミヤネヨ」


「だからなにそれ…」



真顔で呪文を唱える普結くんにあたしも真顔になってしまった。


宮根よ?


…さっぱり分からない。




「ねえリエちゃん、
なんかまた普結くんが変なこと言ってんだけど」


「ごめんね、だって」


「なんでわかるの?!!」


「あたしが教えたから。」


けろりとした顔で言い放ったリエちゃんを凝視する。

この人が原因だったとは。



「あたし今韓国語勉強するのにハマってんのよね。
それでこの前たまたま柚山の前で韓国語の本読んでたら興味持ったみたいで」


言いながら指差した方を見れば、

″誰でも流暢に!初心者のための韓国語″


そんな文字が表紙に踊っている本を読みふける普結くんの姿があった。


…どうやら相当ハマってるらしい。