「しつれーしまーす、
柚山先輩いますか?
委員会の資料持って来ましたー」

「ほら柚山呼ばれてるわよ」

「…んあー、俺そういえば保健委員だったっけ…」


画面の中で可愛い笑顔を振りまくレイヤくんに釘付けになりながら、
耳が勝手に拾ってくる声たちを聞き流す。


…あ、携帯の充電切れそう。


「ねえリエちゃんスマホの充電器貸して…」


言いながら顔を上げた
あたしの言葉はそこで途切れた。


目の前に、レイヤくんがいたのだ。



「柚山先輩明日の昼休憩保健委員会っすからね?
ちゃんと来てくださいよ?
この前も勝手にブッチしたでしょう」

「あーね、忘れてたわ完全に」


普結くんより少し高めの身長に、
切れ長の目。

特徴のある赤髪。



「レイヤくんだ…!!!!!」

「うわ、びっくりした。

…?誰っすか柚山先輩この人」

「悪い奴じゃないんだよ。
ただちょっと病気なんだよね、頭の」


引きつった顔も素敵。
ぽかんと開いた口から八重歯が少しだけ見えるところもレイヤくんとそっくりだ。


いや、
この人はレイヤくんだ。