「…大丈夫かなあ、普結くん」

「大丈夫っすよ。さっき約束しましたから」

「約束?」


あたしの言葉になにも返さずに

少しだけ笑った鳴海くん。


大きな太鼓の音が鳴って、顔を上げた。




「…始まりましたよ」




グラウンドの真ん中に
きちんと整列した真っ黒な集団。


そんな中、すぐに分かった。


「……普結くん」



静かに目を閉じた普結くんは、
再び鳴った太鼓の音で目を開けた。